時代の陰に隠れてしまった名機たち


CM-500 GS音源SC−55相当と、 LA音源MT−32相当のハイブリッド音源エンジンを持つ CM−500
SC−55の陰に隠れたか、また似たようなルックスを持つCM−300の影響か、当時それほど注目されなかった。
でも、GS音源24音+LA音源32音の計56音も鳴らせて、当時としては最高を誇る同時発音数。 そして、サンプリング音源としてのGS音色318音と、LA音源としての128音色を搭載! これだけの表現力と可能性を持つ音源は、他にない!?
PMA-5 そのルックスから、SC−55のイロモノ、 またはヤマハQY70の対抗機的な扱いをされるが、 実は上位機種のSC−88シリーズでさえ持っていない、オリジナルドラムマップ(音色)を搭載!!
PC65:Standard2 Set PC66:Standard3 Set PC73:Room2 Set
PC81:Power2 Set PC89:TR-808/909 Set
PC97:Jazz2 Set PC105:Brsu2 Set
これらは、PMA−5しか持たないドラムセット!!
しかもギター音色等の一部にPMA−5しか持たない音色がある。
そのルックス故、シーケンサ+SC−55としか見られなかったが、実はレア音源として、押さえておきたい一品。
JV-1010 SC−8850と同時期発売で、その陰に隠れてしまったのか、 というか、SC−8850は1000を超えるの音色数をもっており、当時最高だったし、音色数が多いほうが偉い!という風潮があった中、 それより少ない900音色程度しか持たないJV−1010に、あまり魅力を感じなかった。
しかし、実はプロ御用達のラック型音源JV−1080をDTM向けにハーフラックサイズにシュリンクしたもの。
音は、プロ用のJV−1080と変わらないし、さらにそのプロ用音源のエクスパンジョンボードが使える上に、 session(SR-JV80-09)の音色をすべて内蔵!!
もしSC−8850と発売時期が異なっていれば、間違いなく名機認定されていた音源である!?
Fantom-XR あまりにヒットしたXV−5080と、そしてハードウエア音源の終焉。
時期が本当に悪かった。ローランド最後のハードウエア音源INTEGRA−7 は、XV−5080の音色をすべて内蔵している。XV−5080の後継機の Fantom−XRの音ではなく、XV−5080の!!
しかしFantomの音、決して悪くないと思う。今まで、きらびやかで薄く感じたローランド音に、ねっとりと粘りをつけ、重量感が出た音色。
好みの差はあると思うが、ローランド中最高の音だと思う。名機であること間違いない。
持病であるLCD異常がかなりの確率で起こるが故、中古市場で完動品を手に入れることが難しく、 その辺も名機として語り継がれない、足枷になっているのかもしれない。
MU2000 XG vs GS戦争の影響と、ハードウエア音源の終焉。この機種も時期が悪かった。
インサーションエフェクトも独立4系統あり、さらにチャンネル共通にはなるが、強力なバリエーションエフェクトも搭載。 そして、音源を拡張できるプラグインボードがささるスロットも3つあり、その拡張性は、今でも最高峰である。
未だに人気のDX−7の音源(FM音源)も、ボーカロイドのように歌わせることができるプラグインボードも発売されていた。
なのに、XG vs GS戦争最後の音源としか見られない(ガンダムでいう、ジオング的な存在)、不遇な音源である。
EX5R これほど不遇な音源もないだろう。
PCM(AWM2)音源を核として、VL(バーチャルアコースティック)音源、AN(アナログモデリング)音源、FDSP音源の4種の音源エンジンと、 インサーションエフェクトも独立4系統と、これ以上ない豪華な作り。
しかしこれだけの才能を持ちながら、DSPが非力すぎて、全てを活かすことができない。
例えば、AWN2音源のほか、VL音源を選んでしまうと、他の音源方式は選べない上に、インサーションエフェクトも1チャンネルのみに…
と、せっかくの表現力が活かしきれない、残念な性能。もしあと1つDSPを載せてくれていれば、違った結果になったかもしれない不遇な音源。
PLG100-XG 音源じゃない。プラグインボードじゃん!って思うけど、これで立派なXG音源。 ただやっぱりプラグインボードなので、CS6Rなどプラグインシステムに 対応した母艦となる音源モジュールが必要。
何を隠そうここがポイント!一般的にDTM向けの音源にさすよりは、プロ用音源にさすことが目的。
そう。プロ用音源のプラグインなので、他のどのXG音源よりも洗練された音が鳴るのが、このPLG100-XGの凄いところ。
プロ用音源にさしても、その存在感が薄まることなく鳴るXG音源!!
MU50相当の音源性能だが、 その音の良さはMU100を超える!
XG最高峰のMU2000ともまた違う、その音。
MU50相当の仕様に騙されてはいけない、隠れた名XG音源である。
DMC9000 TDKがサウンドカード???なんか畑違いのところから発売されたためか、見向きもされなかった音源。
しかし音源自体はE−muのエンジンを使っており、当時の他のサウンドカードとは、一味も二味も違った良い音が出た。
当時はGS音源用のデータばかりだったが、このDMC9000専用のデータが あったならば、再評価されたに違いない。
PCカード形状のため、現在のPCに対応しないのも無念である。
PROTEUS2000 PROTEUS史上もっとも扱いやすい音源かも。
音の抜けのもよく、メジャーな音から、ちょっと癖のある音まで、幅広くあって、使いやすい。
特にドラム音のFor Real。今聞くとリアルではないが、抜けのある良い音。これだけのためのPROTEUS2000を手放せない人も多い。
ただただ、これも時期が悪かったか、海外はともかく、国内では、ハードウェア音源の終焉の時代。 もしこれが、あと2年早かったら、名機として語り継がれていたに違いない。
TR-Rack これまた不遇な音源。
鍵盤付きTRINITYのラック版が、このTR-Rack。後継機のTRITON-Rackよりも、音が良いとされる。
しかしこれだけの音源であるが、とにかく操作性が最悪。
パラメータを変えるとき、連続して…例えば、0から100に変えたいとき、通常[UP]ボタン等を押して変えるが、100回押すのは大変なので、 キーリピートでキーを長押していると、その間パラメータが連続的に変わるはずだが、変わらない。100回押さなきゃならない。
じゃ、エクスクルーシブデータ変えればいいじゃん…なんとマルチモードは、エクスクルーシブを受け付けないクソ仕様!!(KORGは歴代この仕様が多い)
これじゃ、どんなに良い音を持っていても、この機種で曲を作ろうとは思えない。
NX5R この機種の前身にNS5Rと機種があった。この音源は、拡張音源としてドーターボードを搭載することできた。
当時ヤマハのXG音源が台頭していたこともあり、MU50相当のドーターボードを最初から搭載したモデルが、NX5Rになる。
なので、XG音源選択時は、XG音源が鳴ると思ったが、そうでもなく、PCインタフェイスから信号を入れないと、ドーターボードに信号がいかない。
このPCインタフェイスとは、RS-232Cを使ったインタフェイスであり、MIDIインタフェイスとは若干異なっており、また今のPCにおいては、ほとんど搭載されていない。
NX5Rの設定を変えて、通常のMIDIインタフェイスより、ドーターボードに信号を流すことは、可能っていえば可能だけど、 なんかエクスクルーシブ等の扱いが、通常のXGとは異なるんだよね・・・
この辺もKORG伝統の扱いにくさで、せっかくの目玉機能がうまく使えないという・・・これがもっと使いやすかったら、間違いなく名機だった。

※掲載機種は当HPにある機種のみです


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